タカノグループ本社研修センター新築工事
Vol1.築け、タカノの新時代を象徴する新社屋
Prologue
次の100年へ、タカノグループの新拠点を建設
富山の目抜き通り、国道41号線沿いに面したタカノ建設本社敷地内でこの秋、タカノグループの新たな拠点となる研修センターの建設工事が始まった。現社屋を取り壊し、隣接する駐車場と併せた敷地に、2棟構成の3階建てビルを新築する計画だ。創業100年の節目に始動した新拠点建設プロジェクト。タカノグループの次の100年を支える拠点となる、新たなフラグシップビルの建設に迫る。
Member
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現場所長
池田 弘隆
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INTERVIEW
現場主任
真野 朝陽
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現場主任
小川 和大
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現場職員
高野 亮太朗
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現場職員
藤原 楓子
Outline
グループの技術を結集した、木造ハイブリッド構造
「自社の施工を担当するのは、誇らしいと同時にとても緊張することです。先輩、後輩、同僚たち、みんなに納得してもらえるような仕事をしたいです」。そう語るのは、この工事で現場主任を務める真野朝陽。所長の池田とともに見積もりから参加し、施工計画、施工図の作成、スケジュール管理などを広く担当している。研修センターの最大の特徴は、鉄骨造の事務所ゾーンと木造で支えるアトリウムで構成されたハイブリッド構造となっていること。タカノ建設の鉄骨工事技術と、タカノホームの木造建築技術を融合した、タカノグループでも初の試みだ。さらに、木造のアトリウムは、木製面格子に薄鋼板を組み合わせた新工法(特許出願中)のハイブリッド耐力壁で支えている。「初めてのハイブリッド工事なのですべてが手探りですが、鉄骨業者さんや木造大工さんたちとしっかり打ち合わせを重ねて、工事を進めたいと思います」と真野は語る。
オフィスビル建築のフラグシップモデルに
研修センターの外観は、アトリウムのガラス越しに見える木製の面格子が印象的なデザインだ。この木製の面格子が、木格子の意匠性と耐力壁としての強さを併せ持ったハイブリッド耐力壁になっていて、光や開放感を遮ることなく耐震性を確保している。グループ会社のタカノ興発が富山県農林水産総合技術センター木材研究所・椙山女学園大学清水研究室・三四五建築研究所と共同開発したもので、現在、特許を申請中の新工法だ。富山駅から富山IC方面へ国道41号を進むと、同社の前で道路がゆるやかなカーブに差し掛かる。そのときにちょうど道路から、建物の正面が美しく見える設計になっている。1階にタカノ建設本社、2階にタカノグループ管理本部が入り、3階には研修室となる広いホールが建設され、グループ全体における人材育成と結束力の強化を図る新拠点となる。屋上には太陽光パネルと蓄電池を設置し、省エネルギーと環境保全にも配慮した、オフィスビル建築のフラグシップモデルを目指す。
安全に配慮
現在、現場では基礎工事が行われている。歩道を行き交う歩行者を見ながら、「実は、施工開始の直前に、建物の位置を当初の予定より1メートル以上奥に変更したんです」と語る真野。設計が決まり現場で位置を確認したところ、建物の位置が思った以上に歩道に近くて危険を感じたという。庇の工事をする際に、足場が道路に出てしまう点が気になった。また、敷地が斜めになっているために、敷地いっぱいに建物を立てると、建物の北側の路地から国道に出る際に右側から来る車が見えにくくなってしまう。危険を感じ、建物の位置を下げた場合との比較図面を作って上層部に説明したところ、最終的に社長の判断で、建物の位置が変更されたという。「危険をひとつ回避することができてホッとしました。これからも気になるところは声に出して、現場の安全を守っていきたいと思います」(真野)。
地域の防災拠点としても活用を
1978(昭和53)年に建設された鉄筋7階建ての現社屋は、昭和・平成・令和と時代を超えて地域の人たちから親しまれてきた。特に、同ビルの1階にテナントとして入っていた喫茶店は、周辺で働く人たちの休憩場所や打ち合わせ場所として賑わっていたという。地域とともに歴史を重ねたビルの建て替えに、昔を懐かしむ声も多い。公共施設を数多く建ててきた経験を活かし、建設中の新社屋には、地域の防災拠点としての機能も備える計画だ。災害時の停電に備えて、屋上には太陽光パネルと蓄電池を設置。非常時には、研修用ホールを一時的な避難所として地域の人たちに開放できるようにと考えている。グループ力の強化、地域との共生、環境への配慮。タカノグループの新しい夢の詰まった新社屋が、2023年夏に誕生する。
Same Project
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