県内小学校 建替工事
Vol3. すべては、子どもたちの安全ために
Prologue
自分への挑戦!手腕の問われる小学校建替工事へ
2020年9月、富山市の中心部に位置する住宅街の一角で、小学校の建て替え工事が始まった。富山市が推進している学校施設の耐震化事業の案件だ。条件は通常どおり校舎で授業を実施しながら、残された狭隘な敷地の中でA工区、B工区に分割された工事を同時に進めていくものだ。児童も行き交う環境で、どうやって工事を進めるのか。普段は閑静な住宅街に位置する事もあり近隣対策の調整が重要な状況の中、緻密な計画のもと、施工管理者たちの試行錯誤が始まった。
Member
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INTERVIEW
現場所長
前田 義行
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現場副所長
幅口 充
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現場主任
奥村 平
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現場職員
西田 光杜
Outline
最難関の搬入と、3度の雪下ろしを経て完成
2022年3月、完成したばかりの真新しい校舎に小学生の歓声が響いた。その様子を見守る現場担当者たちの顔にも笑みがこぼれる。「最後の最後まで、本当に大変な工事でした」と語るのは、現場所長の前田義行。限られた敷地内での工事で最大のネックになったのが、校舎の完成後に行われる家具の搬入だった。実験台や調理台は大きくて重い。通常ならクレーン車を使って窓から搬入するが、敷地内に重機の入るスペースがなく、最終的には家具メーカーから10人以上もの従業員が訪れて、階段を手作業で運び上げた。さらに、3月に入っても降り止まない雪が屋上の防水工事を遅らせた。何度雪を下ろしても、作業が終わる前にまた降り積もる。大掛かりな雪下ろしを3度繰り返し、すべての工事が完了したのは、引き渡し期限が目前に迫る3月12日だった。
すべての経験が、それぞれの「次」への糧になる
「この現場での経験は、私にとっても、他のメンバーにとっても、大きな財産になりました」と語る前田。副所長を務めた幅口充は、大きな現場での所長経験もあるベテラン。幅口に施工図の作成や承認を任せることができたからこそ、自分が対外調整にしっかり取り組むことができたと前田は振り返る。現場主任の奥村平とは、以前も同じ現場で学校建設に取り組んだことのある気心の知れた中。厳しい条件の中、職人に一番近い立ち位置で、よく現場を回してくれたと前田は語る。入社2年目の西田光社には、工事写真の撮影を任せた。現場で見たあらゆることを、これからの仕事に活かしてほしいと期待する。
地域に欠かせない、建設業の魅力を伝えたい
前田は工事の期間中、学校側の求めがあれば喜んで、児童の現場見学を受け入れてきた。建設現場や職人たちの仕事を間近に見たときの「大きい!」「すごい!」という感動が、建設の仕事に興味を持つきっかけになればと思ったからだ。「建設の仕事は、地域のためになくてはならない仕事です。現場を見学した児童が将来、当社に入社してくれれば最高ですが、たとえ当社でなくても建設業界の担い手になってくれたらうれしいですね」という。
児童の歓声に、どんな苦労も報われる
校舎のお披露目会では、児童から質問が投げかけられた。「どんなことを考えて仕事をしていましたか」という質問に、前田は胸を張って「ここで過ごす皆さんの安全です」と即答した。材料や工法を決めるとき、選択肢が2つあれば前田は常に「10年後、20年後にどちらが安全か」を基準に選んできた。それは、自分が過去に担当した建物のメンテナンスを通して、目先の小さな利益より、長く安全に使い続けられることがいかに大切か知っているからだ。児童から贈られた寄せ書きには、「わたしたちのために、暑い日も寒い日もありがとう」などのメッセージが並んでいる。子どもたちに胸を張れる仕事を、これからも、タカノ建設は貫いてゆく。
Same Project
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