今泉けやき台 分譲地造成プロジェクト
Vol 2.35℃の気温に170℃の路面、灼熱のアスファルト舗装工事
Prologue
地下水を制し、“家族の街”の土台を築け
2021年秋、富山市今泉町に、全21区画からなる新しい分譲地「今泉けやき台」が誕生する。今泉は市街地にも婦中町方面にもアクセスが良く、スーパーや書店、飲食店などが近隣にひしめく人気のエリア。ここに、宅地開発、造成工事、分譲から住宅建築まで、タカノグループが一貫して手掛ける街区を整備する計画だ。工事のカギを握るのは、地下を豊富に流れる水の存在。地下水を制し、強固な土台を築く宅地造成工事がいま、着々と進められている。
Member
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INTERVIEW
現場所長
長谷川 慎
Outline
湧水対策が功を奏し、完了検査まであと一息
真夏日の続く8月上旬、「今泉けやき台」の造成工事現場で、所長の長谷川は食い入るように天気予報を見つめていた。数日後に予定されているのは、造成工事の仕上げにあたる道路のアスファルト舗装工事。雨が降ると作業ができなくなるため、長谷川は一週間以上前から天気予報と首っ引きでスケジュールを立てていた。この現場では工事の開始前から地下水の影響を心配していたが、万全の準備で挑んだ湧水対策が功を奏し、予定どおりに工程が進んでいる。8月10日に予定している完了検査まであと一息。南の海上で発生している台風の動きを注意深く見守りながら、道路工事業者との打ち合わせや作業手順の最終確認を、長谷川は一つひとつ慎重に進めていった。
熱気と緊張感に包まれた、炎天下のアスファルト工事
心配していた台風の影響を免れて、無事に迎えた舗装工事の当日は、最高気温が35度を超える炎天下だった。ジリジリと照り付ける太陽の下、ダンプトラックやロードローラー、アスファルトフィニッシャーなどの重機が集まり動き出す。路面に敷き詰められるアスファルト合剤の温度は170℃。立ち上る熱気の中、トンボを手にした職人たちが、道路の端など細部を仕上げていく。舗装工事は、やり直しのきかない一発勝負。灼熱の現場に、職人たちの緊張感が漂う。どうにか天気も持ちこたえ、3日間に渡る舗装工事が無事に終わったとき、長谷川は、大きな安堵感と解放感に包まれた。
くっきりと浮かぶ、街の輪郭に感無量
完了検査を無事に通過し、暑さも少し和らいだ8月中旬。造成工事を終えた現場からはプレハブの仮設事務所が撤去され、あとは融雪装置の設置と、街路灯やゴミステーションの設置を待つばかりとなった。「ただの更地だった造成地に、黒いアスファルトの道路が入ると『完成したな』と実感します」と語る長谷川。道路沿いの一角に立てられた分譲看板の区画図には、既に多くの「契約済み」シールが貼られている。家族連れで土地を見に訪れる人たちの姿を見かけることもあるという。側溝と道路できれいに縁取られた造成地を見渡すと、これから出来上がる住宅街の姿がくっきりと目に浮かぶようだ。
成功も失敗も心に留め、次の現場に活かしたい
すべてが順調に進んだように見える工事だが、長谷川は「難しいところもあった」と振り返る。その理由を尋ねると、細心の注意を払ったつもりでも騒音や粉塵を抑えることは難しく、近隣の方たちに少なからず迷惑をかけてしまったからだという。「成功点も反省点もしっかりと心に留めて、次の工事に活かしていきたいと思います」と真摯に語る長谷川。厳しい暑さや寒さの中で作業をし、肉体的にも精神的にも決して楽ではない仕事だが、土木の仕事にはその大変さに匹敵するやりがいがあるという。それは、自分の手掛けた仕事が街の一部となって長く残るという点だ。数々の分譲地をはじめ、公共施設の土木工事や河川の護岸工事など、富山県内には長谷川の手掛けた現場が多数ある。「自分が担当した現場の近くを車で通るときには、少し寄り道してみることもあります」と、笑顔を見せる長谷川。厳しい工事にも地道に挑み続ける彼らのたゆまぬ努力が、富山の街を築き上げている。
Same Project
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